セザール賞:ポランスキー監督作品が3部門で受賞、物議に

仏映画賞「セザール賞」の授賞式が2月28日に行われた。ポランスキー監督の「J’accuse(我弾劾す)」が最優秀演出賞を含む3賞を受賞した。過去の性的暴行疑惑が取りざたされる監督の受賞に、最近に映画界の性的虐待を告発した女優のアデル・エネル氏が、抗議の念を示すために会場から退席するという一幕もあった。
今年の授賞式は、セザール賞を運営するセザール・アカデミーの理事が全員総辞職するという荒れ模様の中で開かれた。総辞職は、マイノリティを冷遇する不透明な運営体質への批判が高まったことを理由としたものだったが、それとは別に、ポランスキー監督のノミネートも、MeToo系の女権論者を中心とする批判の対象となっており、受賞の行方が注目されていた。最優秀演出賞の発表に、会場の一部からはどよめきが起き、自身が未成年者の頃に別の監督から受けた性的虐待を最近になり告発したエネル氏は会場から退席。同氏はこの受賞を、性的暴行を受けた女性に対する侮辱だ、などとコメントしている。なお、ポランスキー監督本人は、騒ぎを踏まえて出席を断念していた。
最優秀作品賞を含む4賞は、ラジ・リー監督の「レミゼラブル」が受賞。パリ北郊の問題地区を舞台にした社会派の作品で、黒人監督の作品に最高賞を与えつつ、ポランスキー監督の話題作も処遇するという「大岡裁き」を目指した選択だったと考えられるが、コンセンサスは得られずに終わった。