ドイツ:ハーナウ市で移民を狙ったテロ事件、9人が死亡

ドイツのハーナウ市(フランクフルト市近郊)で19日夜、水たばこを供する飲食店が銃撃される事件があった。2ヵ所が次々に襲撃され、合計で9人が死亡した。犯人は自宅で遺体で発見された。警察は、移民を狙ったテロ事件と断定し、背後関係の捜査を進めている。
事件は19日の22時頃に発生した。水たばこを供する飲食店「ミッドナイト」で銃で武装した男が発砲。このときには居合わせた客など5人が死亡した。クルド系の住民らが犠牲者となった。犯人は続いて、自動車で移動し、住宅街のあるケッセルシュタット地区に赴き、ここでも水たばこの店「アレナ」を銃撃した。4人が死亡した。事件では、このほかに重態の1名を含む数人が負傷した。
犯人のトビアス・R(34)は、夜のうちにケッセルシュタット地区から近い自宅内で遺体で発見された。72才になる母親も遺体で発見された。トビアス・Rはドイツ人で、ハンターの免許を保有していた。当局には過激派としてマークされていなかった。自宅からは、外国人排斥主義的な手紙や動画が発見されており、当局は、外国人を狙ったテロ事件と断定し、捜査を進めている。報道によれば、トビアス・Rは最近にユーチューブ上に自らの動画を公開(現在では削除済み)。英語で、「見えない秘密組織が悪魔的な手段を用いて奴隷制度を敷いている」などと言明。米国にある軍の地下組織で子供たちが虐待され、殺害されている、などとして、米国国民に対して抵抗運動を呼びかけるなどしていた。
ドイツでは、しばらく前から極右系の過激派による殺害事件が発生している。4ヵ月前には、ハレ市でユダヤ教寺院を狙った白人至上主義者によるテロ事件が発生。数日前にも、イスラム寺院など複数個所を狙ったテロ事件を計画していたグループが検挙されたばかりだった。今回の事件は、精神に異常を来した人物が、そうした動きに触発されて起こした犯行である可能性がある。
メルケル首相は20日、この事件について、人種差別は社会を蝕む毒だとコメント。人種差別的な犯行に対して断固とした態度で臨む考えを改めて確認した。