マクロン政権の税制政策、低所得者層を直撃か

経済研究所OFCEは2月5日、マクロン政権の税制政策に関する報告書を公表した。発足以来で推進した税制政策により、高額所得世帯が利益を得て、低所得層には不利益が及んだとする内容。
報告書によると、マクロン政権発足以来で170億ユーロが減税等により家計に還元されたが、その4分の1を超える45億ユーロ程度が、所得上位5%の世帯に集中しているという。2020年予算法の改正でも、50億ユーロの所得税減税等は、所得水準上位50-80%の「中流の上方」の世帯に恩恵が集中しており、所得下位15%の世帯は、失業保険制度の改正や住宅手当の改正等により、購買力が目減りするという。マクロン政権発足以来の累積では、所得下位5%の層で、年間240ユーロ程度の購買力減少が発生。逆に最上位5%の層では、年間2905ユーロの増加を記録したという。OFCEは、政府が勤労世帯の購買力増強を優先し、年金受給者や失業者が厳しい状況に置かれているとも指摘している。
政府はOFCEが示した試算に反論。低賃金雇用向けの手当て「プリームダクティビテ」の受給者が増えていることの効果など、低所得層向けの一連の優遇策の影響が考慮されていないと主張し、たばこ税の増税については、禁煙を促進することで家計の負担が軽減された効果が考慮されていないとも主張している。