カマンベールの戦い、解決に至らず

フランスを代表するナチュラルチーズ「カマンベール」のAOP(原産地名称保護)指定に関する改革案がこのほど、生産者団体により否決された。問題の解決が遠のいた。
カマンベールについては、「カマンベール・ド・ノルマンディ」の名称で以前からAOP指定がなされているが、仕様書が厳しすぎるとしてその改定を求める動きが指定外の大手メーカーから出され、長らく紛糾していた。AOP指定を登録する公的機関INAOを舞台にした交渉の結果、「カマンベール・ド・ノルマンディ」を高級品と中級品の2種に分け、中級品においては緩和された仕様書(原料として低温保持殺菌の牛乳を使用できる、牛乳生産地の地理的範囲を広げる、など)を適用する旨を盛り込んだ改革案で原則合意に達していた。しかし、従来の「カマンベール・ド・ノルマンディ」を製造してきた生産者が作る団体ODGはこのほど行った投票で、反対53%にて合意案を拒否することを決定。これで交渉は再び振り出しに戻った。
「カマンベール・ド・ノルマンディ」派は特に、牛乳生産地がマイエンヌ県北部にまで拡大されることに難色を示したという。今後、収拾策を探る動きが続けられる見込みで、具体的にはAOPよりも条件が緩いIGP(地理的名称保護制度)の指定取得といった方法が考えられる。なお、現在、ただの「カマンベール」は年間6万トンが生産されているが、「カマンベール・ド・ノルマンディ」は年間6000トンの生産となってなっている。