ポルトガル:外国人の年金受給者対象の税制優遇措置、廃止される見通し

ポルトガル与党の社会党は1月27日、外国人の年金受給者を対象にした税制優遇措置の廃止を盛り込んだ修正法案を議会に提出した。新規の申請者について廃止し、従来の適用者については維持する。対象者には10%の所得税を課税する。
この税制優遇措置は2009年に導入された。欧州連合(EU)加盟国の国民が対象で、ポルトガルに年間183日(半年)以上滞在するか、住宅を保有していることが適用の条件となる。「高付加価値の事業を営む」か、外国で非公的年金を受給している非居住者(公務員部門の年金生活者は除く)について特別の地位を与えて、ポルトガルでの所得税の課税を免除するという趣旨で、適用は、申告を経て10年期限で認められる。
この制度は、ポルトガル政府が、誘致力と国内の消費活性化を目的に導入したが、国内の左派勢力から、国民にとって不公平な内容だとする批判の声が上がっていた。また、同制度を利用する自国民が多いフランスやフィンランド、スウェーデンなども、自国が税収を不当に奪われているなどとして問題視していた。ちなみに、現時点で同制度の利用者数は1万人強で、うち半数以上がフランス人となっている。
ポルトガルは今年に対GDP比で0.2%の財政黒字を達成する見通しとなっており、外国人の富裕層を誘致する必要性は薄れている。それもあって今回、優遇措置の廃止に踏み切る方針を固めた。