ゴーン被告人は「現代のモンテクリスト伯」か

カルロス・ゴーン被告人は8日、逃亡先のレバノン・ベイルートで記者会見を開き、自らの潔白を主張した。日本の検察当局と日産の経営陣の癒着と陰謀により陥れられたとする所説に特に新味はなく、広く報じられてもいるのでここで改めて取り上げるには及ばないだろう。ここでは、フランスの主要紙の中で最も「ゴーン寄り」と見えるルフィガロ紙の9日付社説を紹介する。
社説は逃亡劇について「この現代のモンテクリスト伯は世界中の目をくぎ付けにしている」と論評。カルロス・ゴーンはあらゆる点で突出した経営者であるとし、経営者としての成功を経て、カルロス・ゴーンは「権力とカネという、彼の二つの原動力となったところのものに対して、遠慮する心を失っていった」とし、それがカルロス・ゴーンのアキレス腱ともなり、「フランス人が日産を手中に収めるのを恐れた日本が反撃に出た」と、事件の顛末を同紙なりにまとめている。モンテクリスト伯の場合、「カネと権力が癒着した司直に陥れられて投獄され、獄中から逃れて巨万の富を手にして復讐する」という順序であるから、巨万の富を手にしてから収監されたゴーン氏とは真逆ではあるが、現代のモンテクリストともなればそれでもいいのかも知れない。ルフィガロ紙はさらに、カルロス・ゴーンが「格別に厳しい待遇を自らに与えた日本の司法の、控えめに言って力の入ったやり方」を批判し、日本の政府、東京地検、日産の間の陰謀の存在を証明すべく試みたと説明。「今のところは、これまで表明を許されなかった彼の真実を表明することに成功した。しかし、しかるべき裁判以外に最終的に名誉を回復する道はない」と結んでいる。
「しかるべき裁判」とはどのようなものであるべきかはここでは明確ではないが、経済紙レゼコーが9日付で報じているところによれば、ゴーン陣営はレバノンの司法当局を通じて「名誉を回復する」ことを望んでいるという。