香水業界にもAI導入の動き

仏経済紙レゼコーは1月7日付で、香水業界によるAI(人工知能)とビッグデータの利用状況について報じた。この分野では、独ベンチャー企業Sympriseが、IBMの協力を得て調香AI「Philyra」を開発。2019年6月には、Philyraが開発を手掛けた初の製品が、ブラジル大手O Boticarioにより発売された。この案件において、Philyraは、データをもとに180の組み合わせを提案。これに要した期間は4ヵ月間と、通常の新製品開発と比べてはるかに短い。選別を経て3通りまで絞り込んだうえで、調香師が最終的な判断を下した。AIは人間のアシスタントとして、リードタイムの圧縮やコストの削減に貢献する形となる。ただ、その一般化については、懐疑的な見方もある。AIによる作業の結果がデータとして用いられるループができると、標準化が進み、クリエーションが貧弱化するという指摘があり、香水市場のトレンドが、ニッチな製品を志向する方向に傾いていることを考えると、AIによる影響力はむしろ逆効果とも考えられる。また、業界の中小企業はAI導入に必要な大規模な投資には対応できず、締め出されてゆくことになると警戒している。ちなみに、香水産業のフランスにおける中心地の一つである南仏のグラス市には、70社の企業があり、合計で5000人を雇用、年商は合計で27億ユーロに上る。