チマブーエの落札絵画、政府が国外持ち出しを禁止

仏文化省はこのほど、国内の競売で落札されたチマブーエの絵画「辱めを受けるキリスト」の国外持ち出しを禁じる決定を下した。国による買収を検討する。
チマブーエは13世紀にイタリアで活躍した初期ルネサンスの巨匠で、現存作品は数えるほどしかない。競売に出品された作品は、高さ28.5cm、幅20.3cmの板絵で、長らくコンピエーニュ市内の民家に飾られていた。所有者が高齢者施設に入居するため家財を一括売却する際に、鑑定人がその価値に気づき、去る10月に競売にて1950万ユーロの高値で落札されていた。落札したのは、著名コレクターのアルバロ・サイエとアナ・グスマン夫妻で、その高名な「アラナ」コレクションの所蔵作品は、折しも現在、パリのジャクマール・アンドレ美術館で特別展の対象となっている。
政府はこれまで、競売にも介入せず、音なしの構えを保ってきたが、土壇場になって待ったをかけた。文化省は、「国宝指定」と呼ばれる手続きを利用。この指定により、30ヵ月に渡り国外持ち出しを禁止し、その間に買収の可能性を探り、また、資金を集めることになる。買収額は、落札者側が負担した一連の費用を上乗せした額になると考えられ、2410万ユーロは下らないと見られている。