年金改革反対デモ、動員は盛り上がらず

17日に全国で年金改革反対デモが行われた。全国デモは、12月5日と10日に次いでこれが3回目となった。改革派労組CFDTが合流して行われる初のデモとして注目されたが、警察集計では参加者数は全国で61万5000人(うちパリは7万6000人)となり、10日(33万9000人)よりは多かったが、5日(80万6000人)には及ばなかった。大規模動員を政府に見せつけるという目論見は成功しなかった。ただし、労組CGTは、全国の参加者数を180万人と発表。5日よりも30万人増えたと主張している。
フィリップ首相は17日、年金改革に向けた決意を再確認し、「均衡年齢」を64才に設定する件を含めて、改革の原則では譲らない姿勢を示した。首相は18日に、労使団体との個別会談を行い、19日には全体会談に臨むが、これらの機会を通じて、改革の原則では譲らず、個別の修正には前向きに応じるという態度で臨み、妥協点を探るものと見られている。交通ストの収束が緊急の課題であり、国鉄SNCFとRATP(パリ交通公団)における年金特殊制度への配慮を政府が示す可能性もある。
なお、政府は18日、利益相反申告漏れ問題で辞任したドルボワ年金改革高等代表(閣僚)の後任として、与党LREM所属のローラン・ピエトラシェフスキ下院議員(53)を任命した。ピエトラシェフスキ氏は社会問題法案の下院報告者を務めており、年金改革法案の報告者も担当するはずだった。民間企業の人事担当を務め、政界に入ったのは、マクロン大統領が候補者時代に立ち上げた政治運動に合流したのがきっかけで、政治家としての経験は浅い。労使問題の現場の経験を買われて、大役に抜擢された。