フィリップ首相、年金改革案を公表

フィリップ首相は11日、年金改革案を公表した。首相はこの中で、定年年齢を62才に維持しつつ、平均寿命の上昇に対応して、欠け目なしの受給を受けられるのに必要な年齢(「均衡年齢」)を別に定めて、これを定年年齢より高く設定する方針を確認。この「均衡年齢」の設定に強く反対していた改革派労組のCFDTは、政府が一線を踏み越えたとして強く反発。17日(火)に予定されている抗議行動に合流することを決めた。全労組が年金改革反対を明確にしたことで、対決の様相が強まった。
フィリップ首相は年金改革案について、ポイント制への移行により、すべての人の年金制度を一元化する内容だと説明し、改革の理念を再確認。具体的には、ポイント制への切り替えを、1975年生まれの人(現在44才)から行うとした。2025年に切り替えを行い、この世代以降の人の拠出は2025年以降はポイント制の下でなされる。ポイント制による拠出(年間12万ユーロまで28.12%の料率による)は、2004年生まれ以降の世代について、2022年から開始される。
懸案の特殊制度等について、首相は、消防士、警察官、憲兵隊員、軍人については定年年齢を維持すると約束。国鉄SNCFとRATP(パリ交通公団)の職員については、運転士について1985年生まれの人から(その他の職員は1980年生まれの人から)の適用として、移行期間を長めに設定することに応じた。
「均衡年齢」の設定は、年金収支の均衡化の実現のために必要な措置だと説明。首相はその上で、年金収支の均衡化の時期を、当初予定の2025年から2027年へ遅らせることに応じた。均衡年齢は段階的に引き上げられ、2027年時点で64才となる見通し。均衡年齢より前に退職すると、支給額に減額が適用され、同年齢よりも後に退職すると、増額が得られる形になる。
首相はこのほか、教員について2021年にも支給額等の見直しに応じる考えを表明。また、拠出期間が十分な人について、年金支給最低額を2022年に1000ユーロへ引き上げると約束した。さらに、子供の数に応じて支給額を増額することも約束。ポイント制の下では、1子目から5%の増額が母親(選択可能)に認められる。首相はまた、CFDTが特に求めていた、労働の過酷さを年金に反映させる制度の公務員部門への適用拡大についても、交渉に応じると約束した。年金支給額については、対GDP比での現行水準(14%弱)を下回らないようにすると約束し、改定を、インフレ率ではなく、給与水準の上昇率に依拠して行うと約束した。