EU拡大問題でフランスの孤立が鮮明に

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11月19日、ブリュッセルで欧州連合(EU)の外相理事会会合が開かれ、EU拡大が協議された。現時点で新たな拡大に反対し、北マケドニアおよびアルバニアとの加盟交渉開始を拒否するフランスの孤立が改めて浮き彫りになった。マクロン仏大統領は10月のEU首脳会議の際に北マケドニアおよびアルバニアとの加盟交渉開始を拒否し、欧州委のユンケル委員長や他の大多数の加盟国首脳から批判されていた。
今回の会合にフランスからはドモンシャラン欧州担当相が出席し、数日前から提唱してきた加盟手続きの改革案を提示する意向だったが、議長国のフィンランドは会合ではフランスの提案を検討しない方針を決定。また6ヵ国(オーストリア、スロベニア、スロバキア、チェコ、ポーランド、イタリア)の外相がユンケル委員長に宛てた書簡で、拡大プロセスの再検討に応じる条件として、2020年3月に北マケドニアおよびアルバニアとの加盟交渉を開始することを要求した。2020年5月にはザグレブ(クロアチア)でEUと西バルカン(バルカン諸国中のEU非加盟諸国)の首脳会議が予定されており、それに先立って加盟交渉を開始することで、西バルカンに希望を持たせ、加盟のための改革推進を促すことが狙い。
フィンランドは会合後に、バルカン諸国に対してEU加盟の展望を示す必要性を強調した。その一方で、加盟手続きの見直しを求めるフランスの提案については、次期欧州委員会が発足してその見解を聞いたうえで検討すべきだとの立場を表明するにとどめた。
加盟交渉の開始にはすべての加盟国の賛成が必要で、フランスが拒否する限り、交渉は始まらないが、フランスの姿勢に対する批判は今後も強まるとみられている。他の加盟国中ではオランダとデンマークが新たな拡大に反対してフランスに同調しているのみ。これら3ヵ国では世論が拡大に反対している。一方、ドイツでも世論は拡大に反対しているが、政府は積極的に支持している。