仏で紙類のリサイクル危機

報道によると、仏で紙・ボール紙のリサイクル危機が起きている。仏ではこれらの廃棄物の回収率は79%に上り、EU(欧州連合)の平均72%を上回る。しかしながら、回収された紙・ボール紙のリサイクル施設は不足しており、2018年に回収された700万トンのうち、170万トンが未処理の状態にある。廃棄物回収事業者の団体Federecによると、各処理施設で在庫が溢れており、リサイクル業者の分別済み紙・ボール紙販売による収入は2018年に7億2900万ユーロと前年比で26%の減収となった。状況は2019年に入って、さらに悪化しており、販売価格も平均で前年比で50%減少した。こうした状況になったのは、リサイクル用ボール紙の最大消費国である中国が輸入禁止に乗り出したことによる。このため欧州各国は主に東南アジア諸国への輸出に切り替えたが、これらの国も在庫が増え、輸入を禁止しつつある。
リサイクル用ボール紙の危機に加え、仏国内では、製紙業一般に関する問題がある。仏での紙消費は、インターネットの普及につれて減少しているが、回収される紙の量は仏製紙業の需要を上回っている。加えて、仏製紙業は衰退に向かっており、フィンランドの製紙大手UPMは9月に、セーヌマリティム県の製紙工場の売却計画を発表したばかり。Federecでは、UPMの工場の売却が実現した暁には、生産が紙からボール紙へと切り替えられ、リサイクル用ボール紙の販路が確保できるのではと期待している。