幼児せっかん死事件、隣人の責任を問う裁判で被告人が無罪に

幼児のせっかん死事件を巡り、近所の人物が当局への通報を怠ったとして起訴された件で、ランス地裁は22日、被告人に無罪判決を言い渡した。
この事件では、ランス市(マルヌ県)南部の集合住宅で、3才の男児がせっかんにより死亡。被害者は24時間から48時間に渡り苦しんだ末に死亡したと見られている。義理の父親が暴行殺人で、母親が暴行を制止しなかった責任を問われて起訴されており、裁判が2020年に開かれることになっている。それとは別に、子どもの虐待への反対を訴える市民団体の提訴を受けて、検察当局は、犯人夫婦のすぐ上の階に住んでいた男性(34)を、通報を怠った容疑で起訴。今回の裁判はその責任の有無を巡り争われた。
せっかんの事実は隣人らや、犯人夫婦の知人などが広く気づいていたが、責任を問われて起訴されたのはこの男性だけだった。この男性は、事件後にテレビのインタビューに答えて、声が聞こえたなどと証言。これが起訴の決め手となった。男性側は、聞こえた声は専ら義理の父親の声で、子供がどのような状態にあるかはわからなかったと釈明。団地の公団に通報したり、建物の中にせっかん防止のポスターを掲げるなど工夫したが、実らなかったとも述べた。今回の起訴については、虐待児童の救済団体の一部からも、何もしなかった人を放置して、曲りなりにも行動を起こした人の責任のみを追及するのは逆効果だとする批判の声も上がっており、検察側は処罰なしの象徴的な有罪判決を求刑。裁判所はこれも退けて無罪判決を言い渡した。