フランスのキラキラネーム事情

モンティ・パイソンのネタの一つに、レイモンド・ラグジュアリー・ヨットというのがある。テレビインタビューに変な人物が現れる。インタビュアーが「レイモンド・ラグジュアリー・ヨットさん」と紹介する。すると変な人物は答える。「私の名前は違います。レイモンド・ラグジュアリー・ヨットと書いてスロートウォブラー・マングローブと発音するのです」
フランスでもこれほどではないが、妙な命名の子供がこのところ増えている。現在、男児の名前として一番人気のガブリエルは、75万人の出生のうち5400人と、全体の1%に満たない。その一方で、年間に6人以下という稀な名前は合計で全体の10%を占めており、この割合は1975年の2%と比べて大きく増えている。
これには、1993年1月8日のファーストネームに関する法律により、戸籍課の担当者の権限が制限され、命名の自由度が高まったことが大きく影響している。現在、第三者や子供本人の利益に反する名前の命名は、戸籍課の担当者が検察当局に通報することにより阻止できる。禁止された例としては、「ウサマビンラディン」や「アドルフヒトラー」、説明は要さないと思うがクリトリーヌやヴァジーナ、発音できないBrfxxccxxmnpcccclllmmnprxyclmnckssqlbb11116、さらに双子にフィッシュとチップスと命名しようとした例などが挙げられる。こういうのはダメだが、認められたキラキラネームもそれこそ綺羅星のごとくにある。ブルースリー、アルカポネ、バットマン、バラクオバマなど、両親が好きな人物の名前を付けるのは定番だが、最近流行っているのが一味違うスペリングで、ロベールをRobertと書かずにRobaireと書くなどの工夫がこれに当たる。フランス語ではあまり出てこないKとYも人気で、カミーユならCamilleではなくてKamylleと書くのがオシャレ、と思っている親が多いらしい。