英国のEU離脱に関する新合意が成立

ブリュッセルで10月17日に開始した欧州連合(EU)の首脳会議の開幕直前に、英国のEU離脱に関する新たな合意が成立した。英国のジョンソン首相と欧州委員会のユンケル委員長が17日午前にツイートなどで公表し、さらにEUの離脱交渉担当者であるバルニエ氏が記者会見で「英国のEUからの秩序立った離脱および英国とEUの将来的関係に関して、英国政府との間で合意に達した」と発表した。バルニエ氏は、この合意は「離脱問題が不確実性を招いていたあらゆる領域に法的安全と確実性をもたらす」もので、特に「英国に居住するEU出身者とEU加盟国に居住する英国人」にとり重要だと強調した。また、離脱後の移行期間は2020年末まで続くが、EUと英国の双方が同意すれば1年ないし2年延長できると付け加えた。
新合意は今後、欧州理事会、欧州議会、英国議会の承認を得る必要がある。ユンケル委員長は「公正で均衡のとれた合意」と形容し、欧州理事会に承認を促した。ジョンソン首相も「素晴らしい新合意」と称賛し、英国議会に承認を呼びかけた。英国議会は例外的に土曜日(19日)に招集され、合意の承認に関する審議を行う見通し。
今後のカギを握るのは英国議会の反応だが、ジョンソン政権は議会で過半数を失っているうえに、北アイルランドの離脱派政党で保守党に閣外協力する民主統一党(DUP)がすでに合意に反対を表明している。また労働党(最大野党)のコービン党首も反対しており、議会による承認は不確か。
新合意の詳細な内容はまだ明らかでないが、英国議会が3度にわたり否決したメイ前首相の合意案と大差はないといわれる。ただし、北アイルランドをEUの規制領域・関税領域に残し、北アイルランドと英国本土の間に実質的なEUとの国境を設けて、北アイルランドとアイルランド共和国の間で物理的国境を復活させないことを取り決めており、これがDUPの強い反発を招いている。