ルーアン市内の化学工場で火災、環境被害に懸念も

ルーアン市内の化学工場で9月26日未明に火災が発生した。当局は27日朝の時点で、火災が鎮火したと確認。火災で発生した黒煙に特段の有害性はないと確認した。火災による死傷者はなかった。
火災を起こしたのは、米リュブリゾル社のフランス子会社の本社に併設の工場で、従業員数は400人。セーヌ川左岸の港湾の工業地区に位置し、潤滑油や燃料の添加剤を製造していた。火災は、オイルや添加剤、炭化水素の貯蔵エリアで発生、26日の5時頃に爆発があり、炎が上がった。同日には半日以上に渡り黒く濃い煙が工場から発生、ルーアン市を中心とする幅6km、長さ22kmの地域に黒煙が広がった。市内には黒い煤が落下したところもあった。市街地には一日中、炭化水素の異臭が広がり、27日午前の時点では、消火活動に使用されたムース状の消火剤が細かい埃のように空中を浮遊する様子が見受けられた。当局は、燃えたのは通常の炭化水素であり、特段の有害性はないと説明、炭化水素の異臭は数日は続くが、人体に特別の影響はないと説明して、市民たちに平静を呼びかけた。セーヌ川に汚染物質が大量流出するリスクについても、回避のため全力を尽くしていると説明。また、26日に降水があり、汚染物質が降下した可能性に配慮し、野菜・果物類はよく洗って消費するよう呼びかけた。26日には近隣の市を含めて学校が全面休校になり、27日にもその措置が継続された。
リュブリゾル社は米資産家ウォーレン・バフェット氏の投資会社バークシャー・ハサウェイの傘下。ルーアン工場は、危険な工業施設(通称セベゾ)の中でも特にリスクが高い施設に分類されていた。セベゾ指定は全国で1312ヵ所、うち高リスク施設は705ヵ所を数える。ルーアン工場は2013年に付臭剤メルカプタンの漏出事件を起こした前例があり、2017年には改善の催告を受けたが、2019年の3月と7月に行われた検査では合格を得ていた。警察は事故原因の究明と責任を追及するため捜査を開始した。