フランソワーズ・サガンの未発表小説が刊行に

「悲しみよこんにちは」で知られる女流作家フランソワーズ・サガン(1935-2004年)の未発表の小説が相続人で息子のドニ・ベストフ氏の手で発掘された。「心の隅々(Les quatre coins du cœur)」のタイトルでこのほど、プロン社から刊行された。
サガンは2004年に死去した。ベストフ氏は2007年に相続人となることを決めたが、破天荒な生活ぶりのサガンには債務も多く、また税務当局とのいざこざもあり、ベストフ氏が草稿の存在に気づいたのはかなり後になってからだった。この草稿から派生したシナリオが別途、映画化の計画の対象となっており、こちらは頓挫したが、ベストフ氏はそのシナリオを見て、草稿と内容が同じであることに気づき、出版することにした。草稿には混乱や空白部分も多く、修正に労を要したという。
内容はいかにもサガンらしく、ブルジョワ社会の癖のある利己主義的な人物たちが本心を隠してぶつかり合う姿が、突き放した皮肉なまなざしで描き出されている。