リヨン地裁、大統領の肖像写真取り外しの活動家に無罪判決

リヨン地裁は16日、マクロン大統領の肖像写真を公共施設から取り外すという抗議行動を行った2人の被告人に対して無罪判決を言い渡した。政府の気候変動対策が不十分であることを訴えるための行為だったとする被告人側の主張を認めて、やむにやまれぬ行為であったと認定し、無罪とした。検察側はこれを不服としてただちに控訴した。
2人の被告人は去る2月21日にリヨン第2区の区役所内に入り、共和国の象徴として公共施設内に掲示されている大統領の肖像写真(50×70cm)を取り外す抗議行動を実行。これは、市民団体の呼びかけに応じたもので、全国の133ヵ所で行われた。検察側は500ユーロの罰金刑を求刑したが、地裁のグノー裁判官は、公判の際に科学者らが提示したデータ等に依拠し、気候変動は人類の将来に重大な影響を及ぼす案件であり、政府はその対策を十分に進めていないとする被告人側の主張を認めた上で、重大な問題について注意を喚起するためにそれ以外の方法がなかったと認めて、「緊急状態」という刑法上の概念を援用し、切迫した状況においてなしたやむを得ない行為の刑事責任は問えないという理由を挙げて、無罪判決を言い渡した。裁判官はまた、リヨン市が原告として提訴に加わっていないことも指摘、対象となった物品の交換価値がわずかであるとも指摘した。