年金改革、ドルボワ高等代表が改革案を提出

ドルボワ年金改革高等代表は18日、年金改革案に関する勧告を政府に提出した。18ヵ月に渡り関係者と行った協議の結果を踏まえて勧告をまとめた。政府は年内にこの勧告を踏まえて改革法案を策定し、2020年の初め頃に国会審議を開始する予定。
年金改革はマクロン大統領が構造改革の一環として掲げた施策で、ドルボワ氏を高等代表に指名し、労使などとの協議を委ねていた。政府は、この改革とは別に、年金制度の収支改善を目的とした短期的な措置を2020年に施行する方針を一時は検討したが、年金改革を妨害する結果になると考えてこれを断念、今回の勧告案の提出となった。
既に発表されていた通り、ポイント制の導入を通じて、官民など42の年金制度を一元化するのが年金改革の柱となる。1963年生まれの人が62才を迎える2025年年頭に新制度に移行、それまでに旧制度下で蓄積された年金の権利は、それと等価のポイントに転換される。定年年齢は62才を維持するが、これとは別に「均衡年齢」なる年齢を64才に設定。これより前に年金受給を開始する者には支給額に欠け目を設けて、逆にこれより後に受給を開始する人には上乗せ支給を認めるという形で、実質的な退職年齢が高くなるように計らう。これは、就労者からの保険料収入により年金生活者への支給を賄うという賦課方式の年金制度を収支均衡の下で維持するという理念に基づいた制度で、平均寿命の上昇などの要因を踏まえて「均衡年齢」も随時調節がなされる。年金制度のガバナンスは、新設の「ユニバーサル年金公庫」により行われ、同公庫は被保険者と使用者・自営業者の代表により構成される。年金制度の収支は、新制度に移行する2025年から均衡達成を原則にする旨も提案された。
寡婦年金については、生前の夫婦の収入の70%を保障するという原則の下で見直される。保険料率はすべての人について統一されるが、自営業者については特殊性に配慮して別建ての制度を適用する。公社や警察官・軍人等を対象とする年金特殊制度については、15年程度の移行期間を経て、定年年限等を他と原則的に横並びとして統合を図り、職種に伴う特殊性については、労働条件の過酷さと職業上のリスクを退職年齢に反映させる現行制度の枠内で処遇する。
ドルボワ高等代表は引き続き、新制度の細部を詰める協議を継続することになる。翌週にも日程を決めて、9月に協議を開始する。勧告については、経営者団体は全体としてこれを支持。逆に労組側は、改革派のCFDTを含めて、「均衡年齢」の設定による退職年齢の実質的な引き上げなどの措置に反発を示している。