仏政府、廃車手当制度を改正:中古ディーゼル車の購入は対象外に

仏政府は7月17日、廃車手当の制度改正を官報で発表した。8月1日から新制度に移行する。廃車手当は、汚染度が高い旧世代の車両(ガソリン車だと1997年以前、ディーゼル車だと2001年以前のモデル)を廃車にして、新しいモデル(中古車含む)に買い替える場合に支給されるもので、政府は「黄色ベスト運動」の要求も考慮して、2018年末に同制度の支給額の増額などを決めていたが、利用者が予想以上に多く、財政の負担が増えたため、制度を手直しすることを決めた。
同制度の利用は2018年通年で既に21万件と予測を70%超過し、今年に入ってからでは前半だけで22万件の申請があり、このままだと通年では45万件を超える勢いとなっていた。政府が負担する費用も、通年予算の6億ユーロに対して、9億ユーロに達する見通しとなり、存続が難しくなっていた。またディーゼル車に買い換える利用者が半数近くを占め、電気自動車(EV)への買い替えは5%程度に過ぎないという欠点も環境団体などから指摘されていた。
改革の要点は3つ。まず支援対象世帯が絞られる。現行制度では世帯が所得税の課税対象かどうかに応じて、手当の金額に1000-5000ユーロの幅があるが、改正後はこの基準が撤廃され、課税対象所得額を基準として、所得下位50%の世帯を優先対象とする。所得上位50%の世帯はフルEVか一定の条件を満たすPHEVを購入する場合しか手当を受けられない。次に、購入する自動車のCO2排出量の上限も、現行の122g/kmから117 g/kmへと引き下げられる。またディーゼル車については2019年9月1日以降に新車登録された車両に限定し、中古ディーゼル車を実質的に除外する。最後に、手当の額も全体として引き下げられる。例えばガソリン車の購入に対する支援は現行の2000ユーロが1500ユーロに減額される。ただし所得上位50%の世帯が中古EVを購入する場合の手当は引き上げられ、EV普及促進のための措置としての性格が強まる。また価格が6万ユーロ以上の高級車の購入はEVであっても支援の対象から除外される。