バンサン・ランベールさんが死去、延命治療停止から9日後に

2008年以来、植物状態にあったバンサン・ランベールさんが11日、入院先のランス市の病院で死去した。41才だった。事故で回復の見込みのない状態に陥ってから10年余りが経過しての死だった。
ランベールさんは2011年に、脳損傷による回復の見込みのない最小意識状態にあると診断され、この診断はその後も覆ることはなかった。ランベールさんを巡っては、妻とランベールさんの一部の兄弟など家族の一部が、栄養と水分補給による延命治療を停止して死に至らしめることを要望。これに両親と一部の兄弟らが反対して対立し、法廷闘争が長く続いた。裁判では二転三転の末、先に最高裁が両親側の訴えを最終的に棄却、病院側は9日前に延命治療を停止し、11日に死に至った。
この事件はマスコミで大きく取り上げられ、社会問題を引き起こした。ランベールさんの妻は、ランベールさんが以前、このような状況に陥った場合には死なせてほしいと話していたことを証言、これが裁判でも根拠の一つとなったが、明文化された「リビングウィル」がなかったことが禍根を残す一因ともなった。この事件を背景に、2016年の法改正では、「リビングウィル」に関する法的枠組みを明確化し、作成を容易にするための措置が導入されたが、家族間の対立による法廷闘争にもつれ込んだ場合の効力については懸念も残る。