欧州議会、伊サッソリ議員を議長に選出

欧州議会は7月3日、議長選挙を行い、イタリアのダビド・サッソリ議員(63)を新たな議長に選出した。5月の改選前の欧州議会の議長だったタヤーニ氏もイタリア人だったが、同氏が中道右派系の欧州人民党(EPP)に所属していたのに対して、サッソリ新議長は中道左派の社会民主進歩同盟グループ (S&D)に所属している。
サッソリ氏はテレビジャーナリスト出身で、2007年に伊民主党に入党し、2009年に欧州議会選挙で当選した後は政治活動に専念、2014年の再選後には欧州議会の副議長に就任した。今回が3期目となる。議長就任の演説では、現代的で、透明で、持続可能で、市民に近しい議会を目指す意向を表明した。
ちなみに、欧州連合(EU)の重要ポストのうち、これまで欧州中央銀行総裁(ドラギ)と外務・安全保障政策上級代表(モゲリーニ)がイタリア出身だったが、2日の欧州理事会による決定で前者はフランス(ラガルド)、後者はスペイン(ボレル)に割り当てられ、イタリアは欧州議会議長のポストを保持するのみとなる。
なお、議長選挙では、最大会派のEPPが候補者を立てず、サッソリ氏への支持に回った。欧州議会の任期は5年で、議長の任期は2年半であり、2大会派のS&DとEPPはこれまでも交代で議長職を確保してきた。改選後の議会でS&DとEPPは合計でも過半数を割り込んだものの、同氏が2年半の任期を終えた後には、後半の2年半の議長がS&Dの協力を得てEPPから選出される可能性が強い。
さらに、EPPとしては、次期欧州委員会委員長に独CDU(欧州議会ではEPPに参加)のフォンデアライエン氏が選ばれ、その任命に対する欧州議会の承認を確保するために、S&Dなどほかの主要会派を懐柔する必要もあった。S&Dに参加するドイツ社民党(SPD)は特にフォンデアライエン氏の選出に強く反発している。同氏の業績や資質を疑問視する声以外に、欧州議会の主要会派の筆頭候補者から欧州委員会委員長を選ぶ「シュピッツェンカンディダーテン」の原則(欧州議会の権限強化の一環として2014年に導入)が今回の人事では無視されたことに主要会派から強い反発が出ている。
EPPの筆頭候補だったウェーバー氏(ドイツ人)は欧州委員会委員長の座を断念した後、欧州議会議長の座も獲得できず、踏んだり蹴ったりの結果となった。