パリ19区のジルベリ邸の保存にめど、グード氏が購入

パリ19区にあるジルベリ(Zilveli)邸を、広告クリエーターなどとして活躍したジャンポール・グード氏(78)が購入した。1930年代に建設されたモダニズム建築の好例が保存されるめどが立った。
ジルベリ邸は19区のジョルジュラルデノワ通りにある。ベルジェ―ルの丘の中腹にあり、ビュットショーモン公園の近くにある。資産家のジルベリ氏が1930年に建てさせた個人宅で、設計はオーストリア出身のジャン・ベルツ(1900-75)が手掛けた。丘の斜面を利用し、ピロティ構造を採用。建物は直方体の2層の積み木のような形状をしており、面積は136平方メートル。ベルツはル・コルビュジエとも協力したことがあり、特にピロティ構造にはル・コルビュジエとも共通するモダニズムがうかがわれる。
この建物は長らく廃墟となっており、小説にもアウトローの隠れ家として登場するほどその世界では有名だった。しかし、老朽化が激しく、倒壊の危険があるため、パリ市当局はジルベリの孫に当たる相続人らに改修を命じたが実現しなかったことから、強制的な競売に着手。不動産プロモーターが買収すれば、取り壊しを経た再開発が決まる可能性があり、一部の懸念を誘っていたが、結局、グード氏が220万ユーロで落札。グード氏は建物の精神を残して改修に投資し、自身の住居にすると説明している。