パリ市、家賃規制を再導入

パリ市は7月1日付で家賃規制を再導入した。民間部門の賃貸住宅について家賃の上限を設定した。
パリ市は2015年から2017年にかけて同様の家賃規制を施行したが、行政訴訟で規制の禁止を命じられて撤回に追い込まれていた。政府は、根拠法の欠陥を修正する新法を昨年末までに制定、パリ市は新法に基づいて再び家賃規制を導入すると予告していた。それが7月1日付で発効した。
家賃規制は5年間の試験導入の形で実施される。前回導入と同様、需給が逼迫する14地区について、構築済みのデータベースに依拠して物件のカテゴリー別に実勢標準家賃を設定。それよりも20%を超えて高い家賃を設定することを禁止する。この禁止は、7月1日以降に結ばれる賃貸契約から適用される。毎年8万人程度の規模になる見通し(パリ市の人口は220万人)。
借家人はウェブページ(www.referenceloyer.drihl.ile-de-france.developpement-durable.gouv.fr/)で自身の住居の家賃が適法であるかを確認できる。上限を超過していた場合には、大家に引き下げを要求でき、当局が設置した仲裁制度も利用できる。違反者には罰則(個人の場合5000ユーロ、法人の場合1万5000ユーロの罰金)も適用される。
パリ市は、過去に適用された規制で家賃の抑制をもたらす効果が確認されたとして、導入の意義を強調している。パリ市以外では、パリ北郊のプレーヌ・コミューヌ(セーヌ・サンドニ県)、過去に導入実績があるリール市、ほかにグルノーブル市が導入を計画している。家賃規制については、不動産業界から、賃貸住宅所有者が賃貸を見合わせたり、Airbnb型の民泊仲介サイトの利用に切り替えるといった逆効果を招くなどとする批判の声も上がっている。