フィリップ首相の施政方針演説:改憲延期を巡り上院と火花

フィリップ首相は6月13日、上院で施政方針演説を行った。前日の下院での演説に続き、上院で演説した。上院は野党の保守勢力が過半数を握っていることから、演説後に行われた信任投票(罷免の効果は伴わない)は予想通り反対が賛成を上回ったが、賛成71、反対93、棄権181という結果になり、意外に僅差での否決となった。
上院での演説では、憲法改正案の取り扱いが注目点となった。首相は前日の下院での施政方針演説で、憲法改正案について、今夏に閣議で審議するが、国会審議は無期延期とする方針を予告。その理由として、憲法改正案の採択に必要な十分な支持を得られないことを挙げていた。上院で過半数を握る野党の保守勢力は、憲法改正の失敗を保守勢力に押し付けようとするものだと反発。共和党所属のラルシェ上院議員は、憲法改正案を巡る政府との協議が建設的に進められていたと主張し、その努力を無視して一方的に審議延期を決めるのは不当だと非難するコメントを発表した。
憲法改正案には国会議員数の削減も盛り込まれており、これが攻防のポイントの一つとなっている。フィリップ首相は13日の演説の際に、2020年の上院改選後に、憲法改正案の審議を行う上で環境が整っているかを改めて検討すると言明し、上院における力関係に変化が見られたら改正案の審議を行う可能性を示唆。保守勢力はこの発言も、選挙結果を左右しようとする策略として批判している。保守陣営からは、議員定数の削減で打撃が大きいのはむしろ与党LREMの側であり、自陣営からの支持を得られるめどが立たないことから、憲法改正を取り下げる口実に保守派の反対を利用しているのではないか、とする声も上がっている。