フィリップ首相の施政方針演説、改革継続に意欲示す

フィリップ首相は12日、下院で施政方針演説を行った。今後の政局運営をマクロン政権の「第2幕」と位置付けて、改革の継続に向けた意志を確認。雇用や治安と同等の重要課題として環境問題に取り組む方針を示した。下院は賛成363、反対163、棄権47でフィリップ内閣に信任を与えたが、2017年の内閣発足時の信任投票と比べて、反対票が増えた(2017年には67票)のが目立った。
首相は、欧州議会選挙での環境派の躍進を踏まえて、環境問題を重視する方針を表明。モビリティ法案やエネルギー関連法案を今夏までに成立させ、循環経済法案の国会審議を夏休み明けに開始すると予告した。その枠で、プラスチック100%リサイクルの実現などの取り組みに言及したが、いずれも予告済みの措置であり、新たな発表はなかった。
雇用関連では、失業保険改革法案を近く閣議決定すると予告。短期雇用契約の利用が多い使用者に社会保険料の割り増しを適用する(少ない使用者には割引を適用)新制度の導入、高額の給与所得者に対する失業手当の逓減制導入などの方針を確認した。
税制関係では、「黄色蛍光ベスト」の抗議行動において、課税水準の高さへの拒否の念が明確に表明されたと言明、所得税減税(50億ユーロ規模)を予告通りに行う方針を示した。具体的には、最低課税率を14%から11%へ引き下げ、下から2番目の課税区分でも実質減税につながる措置を導入すると説明した。首相は減税の財源確保については明確にしなかった。
首相はこのほか、同性婚に絡んで、女性による人工授精の利用規制を緩和する方針を確認。7月末に閣議決定を予定するバイオエシックス法案に関連条項を盛り込むと約束した。首相は、政局運営において、国民の声に耳を傾ける姿勢を重視し、従来のともすれば傲慢と見える態度を改めるとも約束した。