政府、憲法改正に再挑戦

マクロン政権が憲法改正法案の準備を進めている。ルモンド紙が1日付でその内容を報じた。
マクロン大統領は昨年に憲法改正の準備を進めていたが、ベナラ事件の発生を受けて、7月時点で準備を中断していた。その後、「黄色蛍光ベスト」の抗議行動も始まり、改憲問題は棚上げの状態が続いていたが、運動の収束と欧州議会選挙の終了を経て、政府は中断していた改憲を進める構えを見せている。改憲の実現には、野党の保守勢力が過半数を握る上院の協力が不可欠となるが、保守の中核である共和党は先の欧州議会選で大敗しており、政府はこれを、交渉を有利に進める好機と捉えている模様。
フィリップ首相は改憲法案の内容の提示に着手、7月初頭には閣議決定を望んでいる。議員定数の削減、総選挙への比例代表制の導入、議員職の再選の制限など、基本方針は以前の案を維持した上で、内容をやや緩和することで、野党勢力の同意の取り付けを目指す計画という。例えば、国会議員定数の削減では、従来案の30%減ではなく、25%減という数字を提示。市町村長の再選制限についても、人口9000人未満の町村については制限適用を除外するなどの譲歩を示した。
改憲法案にはこのほか、環境配慮を憲法第1条の共和国の理念の中に明文化することや、国民投票の対象の拡大、議員発議の国民投票の要件の緩和などが盛り込まれた。第3の議会と呼ばれる経済・社会・環境評議会(CESE)については、市民参加評議会(CPC)に名称を改め、評議員数を削減する一方で、役割も見直され、くじ引きで選ばれた市民が個別の案件について検討し、国民の意見を表明する機会を組織するなどの任務を負うことになる。