2018年の交通事故死者数:最高速度引き下げの効果、鮮明に

仏交通安全対策本部は5月29日、2018年の交通事故死者数(本土)の最終集計値を3248人と発表した。前年比で5.8%減少した。海外県を含めたフランス全体では3488人で、前年比で5.3%減少した。2013年以来で交通量は7%以上増加したことを考慮すると、交通安全対策の効果が際立ったという。
特にフィリップ首相の肝いりで2018年7月1日から導入された最高速度引き下げ措置が効果を発揮したという。この措置により、中央分離帯のない幹線道路における最高速度が時速90kmから80kmへと引き下げられたが、ドライバーや自治体からは反発が強く、「黄色蛍光ベスト」の抗議行動で速度違反自動取締機の大半が破壊された。政府はこれを考慮して、県が管理する道路について県議会に速度制限緩和の裁量権を付与する法の改正を準備しており、一部の県ではすでに90kmに戻す意向を表明ずみ。
しかし、交通安全当局の調査によると、最高時速が80kmに引き下げられた道路では、それ以前と比べて平均速時速が4 km低下し、速度違反自動取締機が破壊された11月以降も、平均速度は3kmの低下を維持して、事故死者数の減少に貢献したという。過去5年間の統計値との比較により、2018年後半の最高速度引き下げは交通事故死者数を127人ほど引き下げたと推定されるという。
なお、最高速度の引き下げは移動に要する時間を増やし、渋滞の深刻化を招くとの批判があるが、当局が300の経路について実施した実態調査によると、75%の経路では1kmの走行について1秒の遅れが生じるだけであり、残りの25%の経路ではむしろ所要時間が短縮されたという。