政府、改革路線を堅持へ

欧州議会選挙を経て、政府は改革路線を堅持する方針を明らかにした。
マクロン大統領のLREMと中道MODEMの候補リストは欧州議会選挙で22.41%の得票率を達成。極右RNの23.31%に及ばなかったものの、予想よりも良好な数字を達成した。マクロン政権は「黄色蛍光ベスト」の抗議行動以来、国民からの支持という点で不安を抱えていたが、バッシングにもかかわらず支持層を手堅く束ねることができたことに自信を強めている。マクロン大統領批判を明確に打ち出していたRNの得票率は伸びず、同じく大統領批判を選挙戦の柱としていた左翼政党「不服従のフランス(LFI)」が大きく後退したことも、マクロン政権にとっては今後の政局運営に向けた明るい材料となった。さらに、保守野党の共和党の支持率が8.48%に後退したことは、共和党の有権者のうち中道寄りの層がマクロン大統領の支持へ流れたことを示唆しており、大統領の陣営はこれを勝利と捉えている。フィリップ首相は選挙前に、かつて自らが所属していた共和党の現状について、「トロカデロの右派」(先の大統領選で共和党のフィヨン候補がパリのトロカデロ前に支持者を集めた集会を開き、保守色の強い勢力が集まったことを指す)と批判していたが、選挙結果は確かに、共和党の支持者として残ったのが保守色の強い層に偏っていることを示唆しており、マクロン政権による右派及び左派の支持層の切り崩しが成功したとも解釈できる。政府はそのため、既定の改革路線を継続する構えだが、環境派のEELVが選挙で大きく支持を伸ばしたことを踏まえて、環境政策を急ピッチで進める姿勢を強調している。7月に関係閣僚会議を再度開いて具体策の策定を進める予定だが、環境派が納得できる政策運営の実現には困難が伴うと予想される。