精子の質が後退=スイス調査

スイスで行われた精子の質に関する研究結果が5月2日付の専門誌Andrologyに発表された。世界保健機関(WHO)が定める3つの基準のいずれかに満たない人が全体の60%に上り、精子の質が後退していることが改めて確認された。
この調査は、兵役を利用して2005年から2017年にかけて2523人の若者を対象に行われた。スイス生まれの者を対象に行った。これによると、精子の濃度、動き、形の3つの基準のいずれかがWHOの標準値を下回っている人が全体の60%と多数派を占めており、いずれの基準でも標準値未満という人も5%に上った。精子の平均濃度は1ミリリットル当たり4700万個で、これは欧州諸国ではデンマークやノルウェー(いずれも4100万個)に次いで低い。4000万個を下回ると生殖が困難になると言われており、出産年齢の上昇とも相まって、社会的、また経済的(不妊治療の公的負担等)に大きな影響が出る恐れがある。
精子の質の低下は先進国を中心に広く見られる現象で、農薬の影響などが可能な要因として挙げられている。今回の調査からは、特に母親の妊娠中の喫煙の有無が有意の影響を及ぼしているという結論が得られたという。