バンサン・ランベールさんの延命治療停止、裁判所が延期を命令

ランス大学病院で20日、植物状態にあるバンサン・ランベールさんの延命治療停止が始まった。しかし、同日には、停止に反対する両親の訴えを受けて、パリ高裁が治療継続を命じる判決を下した。
ランベールさんは現在42才。負傷のため10年来入院しており、意識は戻らず、植物状態にある。夫人は、ランベールさんが以前から延命治療を拒否していたと証言し、その停止を求めてきたが、両親とランベールさんの兄弟の一部がこれに反対し、法廷闘争を繰り返してきた。紆余曲折の末、コンセイユデタ(最高行政裁判所)は先頃、治療停止を許可する決定を下し、医師団はこれを根拠に治療停止を決めた。
ランベールさんの両親はカトリック原理主義の聖ピオ十世会に近く、宗教的な立場もあって治療停止に反対している。19日には支持者ら200人程度を病院前に集めて抗議行動も行った。両親は弁護士を通じてこの件を国連の障害者人権委員会に提訴。委員会が、本件審理が終わるまで治療打ち切りを延期するよう勧告したことをタテに、治療停止は国際条約違反だなどと主張し、一連の提訴を行っていた。パリ地裁はこの提訴を管轄外として棄却していたが、パリ高裁は下級審の判断を退け、障害者人権委員会の本件審理が終了するまで、6ヵ月間に渡り治療停止を延期するよう命じた。ランベールさんの夫人側はこの判決を不服として提訴すると予告した。