メーデーの「病院襲撃」はフェイクニュースか

1日のメーデーにパリで行われたデモで、沿道に位置するピティエ・サルペトリエール病院の蘇生室施設に数人のデモ参加者が乱入を試みるという事件が発生したとの情報が流れ、カスタネル内相は即座に「病院とその職員が襲撃され、病院を保護するために派遣された警察官1名が負傷した」とツイートで批判、ビュザン保健相も「デモ時に病院が襲撃されたのはフランスでは初めて」と憤りを表明していた。暴力的な人々が乱入を試み、議論の余地もなかったとする病院の責任者の証言も手伝って、病院が襲撃されたとのニュースはメディアを通じて一気に流布されたが、その後、病院の職員や目撃者の証言、職員が撮影した動画などにより、事態はこれとはかなり異なるものだったことが明らかになってきた。
当初は暴力集団ブラックブロックのメンバーが病院を襲撃したと思われていたが、実際にはデモ隊と警察が衝突した際に、放水車による放水や警察が放った催涙弾などを逃れようとしてデモ参加者が病院内に避難しようとしただけだった模様。混乱の中でデモ参加者が病院のドアを無理やり押し開いて内部に乱入したことは事実だが、襲撃が目的ではなかったとみられている。これを受けて、特に左派の野党陣営からはカスタネル内相の「誇張」や「嘘」を糾弾し、辞任を要求する声があがっている。