仏での欧州議会選の4つの注目点

仏では、欧州議会選の候補者リスト登録期限が5月3日に終了する。現時点では、世論調査によると、欧州議会選に関心があるという有権者は全体の55%に過ぎないが、欧州議会選が仏国内政治に持つ意味は大きい。以下に、欧州議会選の4つの注目点を挙げる。
1)大統領与党LREMと極右の国民連合の首位争い:仏紙レゼコーと仏ラジオ局ラジオ・クラシックの依頼でユーロトラック・オピニオンウェイ-ティルダーが行った世論調査によると、現時点では、国民連合が支持率24%(一週間前と変わらず)で首位で、これをLREMが21%(同じく変化なし)で追っている。マクロン仏大統領とマリーヌ・ルペン国民連合党首にとっては、今後の政局をリードするためにも、トップに立つことが大きな意味を持ち、両リストのトップ争いが注目される。
2)共和党の得票率:中道右派の共和党リストは、知名度が低かったフランソワグザビエ・ベラミ氏を筆頭候補として以来、勢いを盛り返しており、支持率は14%(変化なし)で、上位2リストを追っている。共和党リストは、前回の大統領選でのフィヨン元候補の得票率(20%)に近づくことを目標に掲げている。共和党リストとしては、LERMに投票することも辞さない、あるいは棄権するというフィヨン候補支持層(同支持層のそれぞれ14%と39%)の取り込みが課題となる。
3)左派における主導権争い:左派陣営は弱体化した上での分裂選挙となる。左派陣営内では、EELV(ヨーロッパ・エコロジー=緑の党、支持率8%)と不服従のフランス(極左、支持率8%)がそれぞれ得票率10%を目指して、しのぎを削っている。今回の欧州議会選では、環境問題がテロとの闘いや税制問題を上回る関心を集めているのにかかわらず、EELVは支持を広げるには到っていない。一方、不服従のフランスは、前回大統領選におけるメランション党首の得票率(19.58%)を大幅に下回る状況が続いている。
4)得票率5%の壁:得票率5%を超えなければ、欧州議会に議員を送り込めないことから、5%の壁は非常に重要である。プラス・ピュブリック-社会党リスト(中道左派)の支持率は5%(1%減)で危うい状況にある。社会党を割って出たブノワ・アモン元大統領候補のリストは支持率4%を得ており、社会党リストとの争いが注目される。同じく前回大統領選に出馬したニコラ・デュポンエニャン氏(中道右派)のリストも支持率4%、中道のUDI(3%)、共産党(3%)も苦戦している。仏では、得票率が5%以下のリストには、選挙キャンペーン費用の還付がないことから、これらのリストは財務的にも厳しい状況に置かれる可能性がある。