「歴史的建造物」とカトリック教会建物の所有権

ルモンド紙は29日付で、国内の歴史的建造物に関する特集記事を掲載。地理的な分布を示す地図などの資料を掲載した。
ノートルダム寺院の火災を経て、歴史的建造物への関心が改めて高まっている。歴史的建造物の指定とは別に、カトリックの教会建物の所有権は、フランスでは、1905年の政教分離法をはじめとする一連の法令により、1905年以前に完成の建物のうち、ノートルダム寺院のような大聖堂(各司教区の中心的な教会)については国に帰属し、それ以外の教会については地元の市町村に帰属する旨が決まった。建物はその上でカトリック教会の使用に供される形となっており、その管理は教会側が担っているが、建物の保守は所有者である国や市町村の管轄となる。ノートルダム寺院の修復が国の責任の下で行われるのはそのためである。
それとは別に、「歴史的建造物」は、歴史的な価値がある建物の保全を図るための指定制度で、発足は19世紀前半に遡る。現在の制度では建物に限らず、蒸気機関車や帆船といった構造物が広く指定の対象となっている。4万4292件が指定されており、うち34%が宗教施設となっている。指定を受けた建造物については、その保守と管理の責任が国と所有者の両方に帰することになり、資金がより得やすくなる。歴史的建造物の所有者は、全体の43.1%が民間部門となっている。建築物に限ると、年間の修復等の予算は6億3700万ユーロとなっているが、ノートルダム寺院の修復のために約束がなされた額が4月18日時点で8億4200万ユーロに上っており、火災事件への関心が高さがうかがわれる。