自称医師で家族を惨殺のロマン受刑者、仮出所決まる

ブルジュ高裁は25日、1996年に終身刑判決を受けたジャンクロード・ロマン受刑者(65)の仮出所を認める決定を下した。家族5人を殺害した受刑者の仮出所決定は、各方面で物議を醸している。
ロマン受刑者は1993年に妻と子供2人(7才と5才)を自宅で殺害。その翌日には両親宅を訪問して2人を殺害した。受刑者は、医学部に進学したが進級に失敗。それでも医師になったと偽って長年に渡り両親を騙し続けた。夫人とも、自身が作り上げた虚偽のストーリーの下で結婚し、2子を儲けた。スイス国境に近い街で生活し、ジュネーブにある世界保健機関(WHO)に勤務する医師・研究者と偽ってエア出勤し、自分の嘘が暴かれないよう、余暇には専門書を読んで知識を磨いた。収入は詐欺行為により得ており、自転車操業の要領で欺瞞を隠し続けた。しかし、仮面生活と詐欺のいずれも行き詰まり、真実の発覚が目前に迫ったところで関係者を殺害するに及んだ。詐欺行為の被害を受けた元愛人も殺害しようとしたが果たさず、死骸のある自宅に戻って、放火して自らは睡眠薬を飲んだが助け出され、犯行の全容が明らかになった。事件は大きな反響を呼び、実録小説化と映画化(2002年、ダニエル・オートゥイユ主演)もなされた。
高裁は、10年間の保護観察期間を設定し、被害者や遺族らとの接触禁止、ゆかりの地方の訪問禁止などの措置を決めた上で、仮出所を認めた。遺族からは、「終身刑」とは名ばかりだとして決定を批判する声も上がっている。