パソコン・ウィルス詐欺の「向こう側」

パソコンのブラウザが動かなくなり、アラート音が出て、「警告:あなたのコンピュータはウィルスに感染しています。この電話番号まで連絡してください」という画面が現れる。よくある詐欺で、ブラウザを閉めればそれで終わりだが、ここに電話するとどうなるのだろう、電話の向こうには誰がいるのだろう、と思ったことはありませんか。ルモンド紙が19日付の記事でそうした疑問に答えてくれました。
ルモンド紙が突き止めた業者の一つがRHBアウトソーシングなる会社で、モーリシャスに所在する。この会社は各種アウトソーシングの受託を業務としており、その一環としてコールセンターを有する。ルモンド紙がこのコールセンター勤務の元従業員から取材したところによると、数十人のオペレーターが随時勤務しており、電話を待っている。アラートで気が動顛している人に、パソコン経由で銀行口座にアクセスしているなら預金が詐取される恐れがあるなどと危険性を吹聴し、ウィルスの「遠隔除去」や「強力なアンチウィルスソフト」の年間契約といった「サービス」を販売する。金額では、「遠隔除去」で340ユーロを取られたという証言があり、その場でカードにて支払わされる。確かにパソコンはまた使えるようになるが、それはもちろんサービスのおかげではない。オペレーター1人につき1日2、3件の「成約」があり、トップセールスの従業員だと週に2500ドル余りの収入を会社にもたらす。数千人の被害者が出たと考えられるという。
モーリシャス政府は2000年代初めから、ICTを利用したオフショアサービスの育成に力を入れてきた。これが、この種の業者の育成にも貢献した可能性がある。RHBアウトソーシングはペイゲートウェイLtdという名前の会社の傘下で、そのオーナーであるリケシュ・ハンス・バラハなる人物は35才で、ルモンド紙によればモーリシャス政府に顔が利く人物だという。