ノートルダム寺院の風見鶏が生還

ノートルダム寺院の倒壊した尖塔の頂点に設置されていた風見鶏の装飾品が、火災翌日の16日に見つかった。銅製のこの雄鶏は、火事の際に溶けてしまったと考えられていたが、尖塔が倒壊した際に振り飛ばされたらしく、建物脇の場所に落ちているのが見つかった。これで火炎の難を逃れることができ、多少の損傷ができただけで生還した。
雄鶏は聖遺物(聖人の遺骨や持ち物など)入れで、パリを守る魔除けの意味を込めて尖塔の頂上に設置されていた。パリの守護聖人である聖ジュヌビエーブとパリの初代司教である聖ドゥニの聖遺物、そして聖王ルイ(ルイ9世)が十字軍から持ち帰ったとされる磔刑のイエスの茨の冠のかけら(本堂に保管されているものの小さな断片)が内部に収められていた。霊験あらたかであったのか、屋根と尖塔は燃えたが雄鶏は戻ってきた。内部の聖遺物の消息はまだ確認されていない。
「フランス人がどうして雄鶏を国の象徴にしたと思う?糞尿の中に立って鳴くことができる鳥はほかにいないからさ」コメディアンのコリュッシュ(1944-86)の言葉である。逆境においてこそ笑い、歌う不屈の精神を称えたものだと考えれば、これほど正しく、またフランスへの愛に満ちた言葉はそれこそほかにない。今この国に必要なのはこの雄鶏の精神かも知れない。