パリ・ノートルダム寺院で火災、屋根と尖塔が焼失

パリのノートルダム寺院で15日夕方、火災が発生した。18時50分頃に屋根部分から出火、屋根部分がすべて焼失し、建物の中心に位置する尖塔が倒壊した。火災は16日の3時30分に鎮火した。正面の2つの塔と、建物は全体として焼失を逃れた。
マクロン大統領は同日、「国民協議」を経て決めた施策を、テレビ演説を通じて発表する予定だったが、急遽これを取りやめ、同日夜にノートルダム寺院を訪問。再建を約束した。テレビ演説を行う日程と、17日に予定していた記者会見を行うかどうかは明らかにしなかった。
ノートルダム寺院は12世紀に建立が開始され、14世紀に完成した。美しい調和のある盛期ゴチック様式の傑作として知られ、欧州で最も見学者が多い建造物でもある。焼失した屋根の木組みは13世紀に完成、19世紀になり、ビオレルデュックの指揮の下で改修を経て今日に至っていた。尖塔は、かつて存在していたものを模してビオレルデュックが新たに建造したものだった。
当局は出火原因の調査を開始したが、現場では足場を組んで大がかりな修復工事が行われており、これが原因となった事故である可能性が高い。出火当時は作業員はすべて引き揚げており無人で、火災検知器が発動して出火が判明した。大聖堂内には見学者が多数いたが、スムーズに避難がなされ、負傷者は出なかった。消火に当たった消防隊員1名が負傷した。
消火作業においては、建物全体の保護が優先され、大量の消火水の散布等はなされなかった。これにより、屋根の焼失に被害を限定することに成功した。一夜明けた現在は、残り火の発見・鎮火と、建物の堅牢性の確認作業が進められている。ノートルダム寺院に収蔵されている聖遺物(代表的なのは、イエス・キリストの十字架のかけらと言われている木片)などは難を逃れたが、内部の絵画作品の一部は焼失した。建物内部の被害状況はこれから調査がなされる。建物内部のボールド天井の一部は崩落した模様。