フィリップ首相、「国民協議」の結果を発表

フィリップ首相は8日、「国民協議」の結果総括を公表した。結果を踏まえた具体的な施策の発表は、マクロン大統領により4月半ば以降に段階的に行われる。
「国民協議」は、「黄色蛍光ベスト」の抗議行動の発生を受けて、国民から幅広く意見を聴取する目的で実施された。全国各地で開かれた会合や、市町村役場を通じた陳情書の受付、インターネットを通じた質問票への回答受付などが行われ、合計で150万人程度が参加した。首相が発表した結果総括によると、まず税制問題では重税感を訴える意見が多数を占め、減税推進のために公的支出を削減したり、社会給付の支給に制限を設けるべきだとする意見が目立った。環境・気候変動問題では、気候変動対策を特に重視する意見が多かったが、対策の方法としては、公共交通機関の拡充や、農業の新たなモデルの導入を求める意見が出され、税制上の手段としては、大規模な汚染者に課税をすべきで個人には課税すべきではないという意見が目立った。民主主義については、議員や高級官僚への不信感が表明され、公職兼務の制限、議員数の削減、閣僚や大統領経験者への「特権」廃止を求める声が目立った。従来の国民投票制度や地域レベルの投票制度の利用を求める声が多く、「黄色蛍光ベスト」派の主な要求事項の一つだった「国民発議型の国民投票(RIC)」への支持は大きくなかった。国家制度については、国民に近いレベルを優先する形で、行政機構の簡素化を進めるよう求める意見が目立った。
この結果については、連帯富裕税(ISF)の復活やRIC導入、一般道における速度制限(時速80km)の解除など、「黄色蛍光ベスト」派の主な主張が取り入れられなかったのはおかしいと批判する向きもある。フィリップ首相は、結果を踏まえて導入される施策については多くを語らなかったが、自らが主導した速度制限については、「人命を救うために決めたことだが理解を得られなかった。交通安全における野心を放棄するつもりはないが、国民の無理解と折り合いをつける術を学ばなければならない」と述べて、部分的な修正に応じる考えを示唆した。