ニュージーランドのテロ事件:犯人はフランスで犯行を決意か

ニュージーランドのクライストチャーチ市で15日に発生したイスラム教礼拝所の襲撃事件(49人が死亡)で、逮捕された犯人のブレントン・タラント容疑者が、フランスでの経験を犯行の淵源として挙げていたことが判明した。タラント容疑者はオーストラリア人で、犯行に先立ち、「グレート・リプレースメント」(総入れ替え)なる宣言書をネット上で公開し、「白人は非白人による侵略を許さず、非白人が白人に取って代わることを阻止する」と白人至上主義を表明していたが、この中で、フランスなど欧州体験についても言及していた。タレント容疑者は、仮想通貨の取引により得た資金を利用して、2011年から2017年にかけて世界を旅行。パキスタンや北朝鮮を含めたアジア諸国を旅行後、欧州諸国を訪問した。
フランスには2017年に数週間滞在した模様で、ちょうど大統領選が行われていたが、容疑者は宣言書の中で、極右FN(現RN)のマリーヌ・ルペン党首が決選投票でマクロン現大統領に敗北したことについて、「民主的選挙でナショナリストに準ずる候補が勝利すれば、それは政治的解決が可能であることの証拠になった」だろうが、それが実現しなかったことに失望したと記している。ただ、ルペン党首については、手ぬるく無能であると厳しく批判している。同容疑者はまた、フランス東部のショッピングセンターで、「侵略者たちが大挙して押し寄せる」様を目撃したとし、呪われた街をただちに立ち去った、などと述懐している。同容疑者はまた、模範として、2011年に政治集会を襲撃して77人の若者を殺害したノルウェーのブレイビク受刑者に心酔する旨を表明し、「自らのミッションについてブレイビク受刑者から祝福を得た」とも表明している。
なお、非白人が白人にとってかわろうとしているという「グレート・リプレースメント」(総入れ替え)という一種の陰謀論は、フランスの作家ルノー・カミュ氏が発信源で(フランス語では「グラン・ランプラスマン」)、欧州外からの移民の波により欧州の住民が非白人に入れ替わってしまうという人種交代論に、キリスト教文化がイスラム文化に入れ替わってしまうという文化交代論が組み合わされている。