仏医薬品当局、オピオイド鎮痛剤の乱用に警告

仏の医薬品の監督機関ANSMはこの度、仏でのオピオイド鎮痛剤の現状調査を発表した。これによると、2000-17年の間にこの医薬品の服用が原因とされる入院が167%増、また過剰摂取による死亡が2000-15年の間に146%増を記録した。毎週、4名が死亡していることになる。米国ではオピオイド鎮痛剤を原因とする死者が2016年に1万7087人に達し、その乱用が社会問題化している。仏ではそこまでは問題化していないが、ANSMではその取扱いに注意を促した。
オピオイドはオピウム類縁物質という意味で、強い痛みを鎮静化する効果があるが、薬物依存に陥り易い。入手には医師の処方箋が必要であり、その処方が増加する傾向にあることが確認される。痛みへの対応度に応じて弱オピオイド鎮痛剤(トラマドール、コデインなど)と強オピオイド鎮痛剤(モルフィネ、オキシコドンなど)がある。特に強オピオイド鎮痛剤の処方は2006-17年の間に2.5倍の増加となった。弱オピオイド鎮痛剤の処方や全体としては横ばい傾向にあるが、トラマドールの処方に限ると同期間に68%を上回る上昇を記録した。ただし、仏では非オピオイド系の鎮痛剤(パラセタモール、アスピリン、イブプロフェン)が最も普及している鎮痛剤ではある。
オピオイド鎮痛剤の処方増加は痛み緩和への認識が広まったことを示す一方で、これらの薬を処方された患者のなかには、その後、依存度を強め、過剰摂取や依存から抜け出すための治療が必要となる患者が出ている。特に60才を超える女性の間でその傾向が強い。