高齢ドライバーによる交通事故をきっかけに、適正検査の導入を促す署名運動

昨年10月27日、パリ市内で92才の男性が運転する車が歩行者をなぎ倒して、花屋に突っ込むという事故が起きた。この男性は移動に杖が必要で、アルコールや覚せい剤は使用していなかった。この事故で負傷した27才の女性は片足を切断した。この女性の父親が、健康に問題がある92才の高齢者が車を運転するのはおかしいとして、適正検査の導入を呼びかける署名運動をネット上で起こし、これに賛同する5万6000人の署名が集まった。
死亡事故を起こした人を年齢別に分類した2017年調査では、65才以上の人は全体の16.9%を占める。このほか、18才未満が2.1%、18-24才が19.3%、25-34才が22.3%)、35-49才が21.6%、50-64才が17.8%だった。事故で死亡した65才以上の人は2018年に852人を数える(死者数合計は3259人)。
カスタネル内相は、高齢者の運転制限及び適正検査の導入を否定しており、運転の是非は、本人とその家族が下すべき問題だと説明している。
フランスでは、運転免許の期限はなく、適正検査もない。これはドイツと並んで少数派で、定期的な書き換え制度(ポルトガル、イタリアなど)や、高齢者を対象にした健康診断等の提出義務(英国、スペインなど)といった何らかの制限を適用している国の方が多い。