欧州委、「ゴールデンビザ」の弊害に警鐘

欧州委員会はいわゆる「ゴールデンビザ」の弊害に警鐘を鳴らす報告書を発表した。これは投資と引き換えに外国人に滞在許可や国籍を与える政策のことで、欧州連合(EU)加盟28ヶ国中の20ヶ国以上が何らかの形でこのような政策を実施しているが、欧州委は脱税やマネーロンダリング、安全上のリスクにつながる可能性を指摘している。加盟国中でこのような政策を特に乱用しているきらいがあるのはマルタ、キプロス、ブルガリアの3ヶ国で、中国人やロシア人がこの措置を利用して国籍を取得し、EU域内を自由に移動する権利を確保している。こうした方法で国籍を取得した外国人の数は、キプロスで2013年から2018年3月にかけて3336人、マルタで2015年6月から2017年6月にかけて2027人に上った。
ただし、滞在許可や国籍の付与に関する政策は各加盟国政府に決定権があり、EUがこれを規制することはできないため、欧州委としては有効な対策がなく、リスクを強調して各国に自重を求めるにとどまっている。