マクロン大統領、年末恒例のテレビ演説で改革路線を堅持

マクロン大統領は12月31日夜、国民向けのテレビ演説を放送した。テレビ演説は毎年恒例だが、今年は「黄色蛍光ベスト」の抗議行動で揺れた直後というタイミングもあり、発言が注目された。大統領は6分間に渡る演説を放送。大統領府の一室で、立ったまま演説するという方式を採用。攻めの姿勢を国民に示すことを優先した。大統領は演説の中で、「黄色蛍光ベスト」という言葉は一切使わずに、「国民が不公正や、時に理解しがたい様相を呈するグローバル化、余りに複雑となった行政システムに対して怒りを表明することがあった」と述べて、一定の理解を表明し、国民からの意見聴取と協議を進めると約束。大統領はその上で、失業保険制度や年金制度、公共サービスの改革など、従来の改革路線を継続すると言明。さらに、「議員や治安部隊、ジャーナリスト、ユダヤ人、外国人、同性愛者」らを民衆の名において攻撃するような憎しみの扇動者らを非難、「黄色蛍光ベスト」の運動の中で逸脱した行為が生じていることを暗に批判しつつ、秩序の維持に全力を尽くすと約束した。
「黄色蛍光ベスト」運動の参加者らは大統領の演説に不満の念を露わにしており、野党勢力も揃って大統領の姿勢をそれぞれの理由から批判している。また、1月1日に発表の世論調査によると、回答者の6割が、「大統領の演説に納得できなかった」と回答した。
なお、12月31日の夜には、パリのシャンゼリゼでカウントダウンが行われた。シャンゼリゼは「黄色蛍光ベスト」運動が暴動騒ぎに発展した象徴的な場所でもあり、当局は厳戒態勢を敷いた。30万人がシャンゼリゼに集まり、その中には運動参加者も若干名含まれていたが、騒ぎにはならず、平穏なままイベントは終了した。