マクロン大統領、「国民的対話」に着手:国民投票新制度RICの導入是非が争点に

マクロン大統領は12月18日、ビアリッツ市を訪問する予定をキャンセルし、国民的対話のプロセスに関する会議を大統領府で開くことを決めた。ビアリッツ市では、G7議長国としての作業開始を記念するイベントに出席する予定だったが、これをキャンセルし、「黄色蛍光ベスト」運動への回答の一つとして着手する「国民的対話」の準備に専念することを決めた。大統領は、関係閣僚と会合を開くと共に、経済界の代表とも会談する。
国民的対話の開始は、フィリップ首相が2週間ほど前に発表した一連の対応に含まれていたもので、閣僚経験者のシャンタル・ジュアノ氏が座長を務める「全国国民対話委員会(CNDP)」により組織される。政府は、3月まで、税制や気候変動対策、民主制の強化から移民問題に至る幅広い問題について、国民から意見を聴取する方針だが、具体的な方式等についてはまだ固まっていない。これに関連して、「黄色蛍光ベスト」の参加者らの間では、「市民の発議による国民投票(RIC)」の導入が合言葉のようになっている。これについて、フィリップ首相は協議に応じる考えを示しているが、与党LREMの内部には、民衆扇動的な勢力に主張を押し通す手段を与えるべきではないとして、乱用を抑止する適切な歯止めが必要だとする声も上がっている。この種の制度としては、サルコジ右派政権が2008年に導入したものがあるが、これは、有権者の10%以上の署名を得て、さらに国会議員の5分の1が請求した場合に国民投票を行うという趣旨であり、ハードルがかなり高い。LREMのゲリニ幹事長はこの制度の見直しを提案している。こうした与党の動きに対して、RICを大統領選挙における公約に組み入れていた極右RN(旧FN)、左翼政党「不服従のフランス(LFI)」、右翼政党「立ち上がれフランス」などは、民主主義の否定だなどとして強く反発している。