英首相、不信任決議を免れる

欧州連合(EU)からの離脱問題で揺れ続ける英国で12月12日、与党・保守党が、離脱派議員のイニシアチブにより、党首であるメイ首相の不信任投票を実施した。党首不信任投票は、保守党の「1922年委員会」に48人以上の保守党議員が書面で請求すれば実施される。党内の離脱派は11月中に一度、投票実施を企てたものの、そのときは請求した議員数が48人に届かなかった。今回は、メイ首相がEUとの離脱合意案が現行のままでは議会で承認されるめどが立たないとみて、11日に予定されていた採決を延期し、EUとの新たな交渉に取り組み始めた矢先に、離脱派が新たな試みに成功した。
英国では与党の党首が首相を務めるため、不信任動議が可決されれば、メイ氏は首相としても辞任を余儀なくされるところだった。しかし、離脱派の期待に反して、投票結果はかえってメイ首相の立場を強化するものになった。保守党議員317名中、不信任動議を支持したのは117名にとどまり、200名が反対した。これにより首相の留任が決まった。また、党首不信任投票は一度実施されたら、その後1年間は再実施できないルールがあるので、離脱派による首相おろしは難しくなった。ただし、与党内で100人を超える議員が首相に敵対している限り、英議会が合意案を承認する可能性は極めて薄い。
メイ首相は13日に開幕するEUの首脳会議で、離脱合意案の手直しについて交渉する意向だが、EU側では交渉はすでに終了しており、合意案の修正には応じられないとの立場を堅持している。