ユーロ導入20周年:欧州委、新たな戦略を提案

欧州委員会は12月5日、単一通貨ユーロの国際的な役割に関する報告書を公表した。ユーロを欧州の主権構築の主要手段と位置づけ、長期的な見地に立った取り組みを進めるよう、加盟各国に呼びかける内容となった。
ユーロは導入から20周年を迎えた。欧州委は報告書の中で、ユーロが世界の基軸通貨として成功を収めたことを強調。ユーロは現在、世界の外貨準備の20%を占め、国際取引の36%がユーロ建てで行われている。また、ユーロはこの20年間に最も安定して推移した通貨でもある。
欧州委はこうした成果を強調した上で、この数年間に着手したユーロ圏改革の重要性を強調。ユーロ圏内の資本移動の円滑化を含めて、着手した改革を遂行することが大切だと強調した。欧州委はその一方で、最大の基軸通貨であるドルの優位は強固であるとも指摘。エネルギーや原材料の取引がドル建てで行われていることや、エアバスのような企業でさえ、ドル建てで取引を行っていることを挙げつつ、欧州委は、ユーロの利用を拡大する余地を検討する意見聴取を開始する方針を示した。また、ドルの流動性が潤沢な国債市場の規模に支えられている点を指摘し、欧州においても、欧州単位での債券の起債を通じて資本市場の統合強化を進めることに利益があることを示唆した。