スペイン:王政廃止を求める投票、全国で実施中

スペインで王政廃止の是非を問う「民衆投票」が行われている。左翼政党ポデモスが後押しし、主要都市の一部地区や公立大学などで投票が11月29日に始まった。12月末まで行われる。
投票は、「君主制と共和制のいずれを選ぶか」を問うもので、非公式の投票であり、当然に法的拘束力は一切ない。スペインでは、1978年に行われた国民投票により現在の憲法が制定された。フランコ独裁政権の廃止と民主制への移行、そして王政の回復が正式に憲法により定められた。フランコの跡を継いだファン・カルロス1世国王は、民主化の立役者として長らく国民の支持を受けていたが、近年にはスキャンダルが相次いで退位に追い込まれ、息子のフェリペ6世が2014年に即位した。世論の王政に対する支持も薄らいでおり、ポデモスは共和政への移行を働きかける目的で、今回の投票に肩入れしている。これに対して、少数派政権を運営している与党の社会労働党は、投票について沈黙を守っている。
世代交代を経て、現在の有権者層の8割は、現行憲法の国民投票には参加していない人々であるという。35才未満の層では多数派(53%)が共和制を支持しているとの調査結果もある。その一方で、保守陣営内にも、王政の基盤を固め直すために、国民投票を実施して支持を再確認すべきだとする意見があるという。