燃料価格高騰の抗議行動、パリ・シャンゼリゼで暴動に発展

燃料価格高騰に抗議する「黄色蛍光ベスト」のデモが、1日にパリ・シャンゼリゼ大通りで行われた。デモは暴動騒ぎに発展し、シャンゼリゼ近辺の家屋が放火されるなどの異常事態に発展した。地方でも、抗議行動が県庁建物への放火(ピュイアンブレー市)に発展するなどの暴力事件が発生した。全国合計で682人が逮捕され、263人が負傷した(うちパリでは133人、23人が警官)。
全国のデモには13万6000人程度が参加した(内務省集計)。シャンゼリゼのデモには、極右及び極左の過激派が紛れ込み、時に異例の共闘を展開して治安部隊と衝突した。また、こうした過激派グループは少人数で機動的に移動し、警戒の手薄な周辺地区で破壊行動を繰り返した。これにはパリ郊外から合流したと考えられるグループが加わり、商店の破壊・略奪行為や自動車への放火などが相次いだ。凱旋門にも落書きや破壊行為などの被害が及び、また、チュイルリー公園では柵を過激派が破壊、その下敷きとなってデモ参加者数人が重軽傷を負う被害も出た。騒乱は夜まで続き、一連の映像は内外に強い衝撃を与えた。
マクロン大統領は1日、G20首脳会議で訪れていたアルゼンチン・ブエノスアイレスでの記者会見の際に、「パリでの事件は、正当な怒りの平和的な表明とはまったく関係がない」と述べて、抗議行動自体の責任は問わず、暴力行為を糾弾した。大統領は2日にパリに戻り、被害を受けた地区を訪問。この際には、大統領を支持する声援も上がったが、「辞任しろ」という罵声も聞かれた。大統領は同日にフィリップ首相をはじめとする関係閣僚を集めて対応を協議。治安体制の見直しと政治的解決に向けた協議を指示した。大統領は、一部から出されている「非常事態宣言」を発令する可能性を否定。野党勢力から出されている、解散総選挙で民意を問えという要求にも応じない考えを示した。大統領は3日には、ポーランドのカトヴィツェで開催の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP24)に出席を予定。フィリップ首相は出席を取りやめ、パリに残って関係者との協議を開始する。同日には、パリ市のイダルゴ市長を皮切りに、与野党のリーダーとの会談を予定。「黄色蛍光ベスト」の代表との会談も予定する。
今は歳末商戦の書き入れ時とも重なり、抗議行動は小売部門に大きな打撃を与えている。略奪や破壊の直接の被害に加えて、客足が遠のいたり、また、抗議行動による道路封鎖の影響で商品の供給に支障が出る影響も加わる。小売業界団体FCDによると、17-18日の初回抗議行動では35%の販売減を、その後は20%の販売減を記録した。観光業への打撃は影響が尾を引く恐れもある。