政府、資産家による寄付拡大を目的に相続の規制緩和を検討

アタル教育閣外相は11月30日付のルモンド紙とのインタビューの中で、資産家による慈善事業への寄付拡大に向けた方策を検討中だと明らかにした。閣外相は、米国では大資産家が資産のほとんどの部分を死去後に慈善事業等に寄付することを遺言で指定することが可能だが、フランスでは制限があると言明。この問題について報告書の作成を依頼する予定であり、その結果、それが可能であると判明したら、法令を改正して枠組みを整備すると述べた。フランスの法令においては、遺族に残さなければならない資産の最低限(子ども1人の場合で半分、子ども2人の場合で3分の2、子ども3人以上の場合で4分の3)が定められており、閣外相はこの制限を緩和する可能性を示唆した。ただ、閣外相は同時に、相続税制は修正しないとも言明、それを希望する人が、これまで以上に遺産を寄付できるようにするのが目的だと説明した。
マクロン政権は発足直後にISF(富裕税)を廃止し、代わりに、不動産資産に限定した新税IFIを導入した。これは間接的に、ISF控除を目的とした寄付の減少を招いた可能性があり、社会事業を推進する団体などから懸念の声が上がっている。閣外相の発言はこうした懸念の声にこたえて、政府として努力する姿勢を示すのが狙いと考えられる。閣外相は同じ目的から、2019年には、慈善団体等が雇用する職員に係る社会保険料が減額になり、総額14億ユーロが還元されるとも強調した。